Archive for the ‘作品・商品・道具のご紹介’ Category
売れっ子レスラーみたい?
今月の中旬に発売になったシンコーミュージックMOOK「アコースティック・ギター・ブック32」に、「打田十紀夫2年ぶりのアメリカ・ツアー」と題して、10月のアメリカ遠征の様子が、日記形式で紹介されています。向こうでのステファン・グロスマンとのライヴやワークショップ、あるいはオフでの珍道中などを4ページにわたって書きました。興味深い写真もたくさん掲載されていますよ。また、そのMOOKに付属のDVDでは、今話題の折りたたみギター「Voyage-air Guitar」の“組み立て→デモ演奏→折りたたみ”のパフォーマンスも、私が担当しています。アコースティック・ギターが折りたためるという、なんともびっくりのギターですが、演奏性やサウンド・クオリティも高い注目のギターですよ(※デモ演奏のところで、曲のタイトルのテロップが「Mississippi Blues」と出てますが、正しくは「Pig Meat Strut」です)。
雑誌といえば、月刊「プレイヤー」誌に長年にわたって連載されてきたウッディ・マンの「Fingerstyle Blues」セミナーが最終回を迎え、今月末(12/29)発売の2月号からそれを引き継いで私が新しく連載を担当することになりました。「Fingerstyle Tips」というタイトルで、フィンガースタイル・ギターを弾く上で参考になるアイディアやテクニック、エクササイズ、フレーズなどを毎月ご紹介していきます。毎号1ページの連載ですが、初心者の方からある程度やってきた方まで、ギターを弾く方に幅広く参考になるページになればいいなあと思っています。どうぞよろしくね! 雑誌が発売になったら、プレイヤー誌のウェブサイト「Player On-Line」で、その連載ページで紹介した譜例の音源も聴けるようになるはずです。記念すべき第一回目は「パターン・ピッキングを用いての右手親指の独立演習」をテーマに、フィンガーピッキング初心者の方にも役立つベーシックな演習を取り上げましたよ。
それから、季刊で発行されているリットーミュージックMOOK「アコースティック・ギター・マガジン」では、創刊以来「アコースティック・ブルース・ギター講座」の連載を担当しています。こちらは見開き2ページの連載(音源も付属CDに収録)で、このところ、オープン・チューニングを用いたボトルネック・スライド奏法にスポットを当てていますが、次号「アコースティック・ギター・マガジン47」から「レギュラー・チューニングでのスライド」をご紹介する予定です。次号の発売は1ヶ月後の1/27ですが、こちらもどうぞお楽しみにね!
以上、三大音楽誌での掲載情報でしたが、これって、プロレス的に言えば、全日・新日・ノアと各メジャー三団体を渡り歩いている「売れっ子レスラー」ということになるのかな、私も。メインは張ってないけどね(笑)。
TABサムピック物語
<最終回> 〜使用上のアイディア〜
(… <第3回>より続き)数々の苦難を経て、遂に完成した“TABスペシャル”サムピック。2004 年の4月の正式発売と同時に、ギター業界にセンセーショナルを巻き起こしました(←かなりオーバーかな?スミマセン)。TABギタースクールの商品紹介のページ(こちら)の宣伝文句も参照してもらえば幸いです。さて、『TABサムピック物語』と称したこのコラム・シリーズの最終回として、今回は使用する上でのアイディアや注意点などをご紹介しましょう(右写真は、 TABサムピックをはめている私の親指)。
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★ストロークにも適しています
このTABサムピックに監修で携わった私自身がギター・インストゥルメンタルをレパートリーにしていますので、インスト指向の方に多く愛用してもらっていると思いますが、実は弾き語りをされる方にも最適なんですよ。弾き語りでは、アルペジオ、スリー・フィンガーといったフィンガーピッキングの他に、コード・ストロークも重要な伴奏になります。歌の途中でフィンガーピッキングからストロークに切り替えて弾かなきゃならない場合も多いでしょう。
そんな場合、サムピックに人差指を添えてフラットピックのように用いる方も多いのですが、通常のサムピックでは、よほど手首を柔らかく使わないと弦をガリガリと引っ掻いちゃいます。TABサムピックなら、スリットが入ってしなりがある分、スムーズにストロークを弾けるんです。ピック部は工業用のギアで用いる樹脂で摩擦にも強いので、当たる部分の状態は常に安定しています。ちなみに私は、ストロークを加える場合、サムピックを用いず人差指〜薬指側で行っています。
★スタンブリング・ベースに最適
私にとっては、5/16の投稿でも紹介したブラインド・ブレイクのスタンブリング・ベースを弾くために、TABサムピックが欠かせないものとなっています。ウッディ・マンのようにサムピックを用いないでスタンブリング・ベースをバキバキ弾きこなすギタリストもいますし、私自身もかつてはサムピックなしでスタンブリング・ベースを弾いていた時代もあったのですが、親指への負担を減らすため、ある時期からサムピックを用いるようになりました。いろんなサムピックを使ってきた私ですが、今ではベルト部のゴムのフィット感とピック部のしなりから、TABサムピックがもっともコントロールしやすいと感じています。
十分マニアックな商品なのに、さらにマニアックすぎると思われないように、今日商品化されているTABサムピックのパッケージにはどこにも「スタンブリング・ベースに最適!」などとは書いてません(笑)。ですが、ラグタイム・ブルース・ファンの方には是非TABサムピックをオススメします。
★ベルトの引っ掛け具合について
TABサムピックを装着するとき、あまり強く締め付けてベルトを引っ掛けると、ゴムですので伸びたり、切れたりすることもあります。ゴムの摩擦でずれにくくなっていますので、適度の締め付け具合で引っ掛けて使用するのがいい思います。また、ひと度、自分にあった引っ掛けポイントを見つけたら、その状態のままにしておいて指へ着脱するのが、ゴムを長持ちさせるコツです。毎回、ベルトを引っ掛けたり外したりしていると、切れやすくなります。
ただそれでも、ベルト部は切れたり伸びたりすることはありますので、その場合は、もう1ランク、タイトにベルトを引っ掛けて使用してください。それから、ゴムの余分な部分は、切った方がピッキングの際に邪魔にならないと思いますが、これはそれぞれです。
★親指のピッキングについて
TABサムピックは、ピック部にしなりがあるので、あまり強く弾かなくても親指の音はクリアに出ます。その分、右手の人差指〜薬指のピッキングに力を持って行けるのが、TABサムピックの利点でもあると私は思います。親指側と人差指側のピッキングの力加減をコントロールすることは難しいとは思いますが、その音量のバランスはフィンガーピッキング・プレイにおいて非常に重要なポイントですので、練習時に気を配っていただければ幸いです。
なお、ピック部のスリットは、私的にはオリジナルの状態で使ってもらうのが一番いいと思っていますが、中にはしなりをもう少し強くしたい方もいらっしゃるかも知れません。そんな場合は、スリットの溝がカッターなどで2段階カットできるようになっていますので、お試しいただくことも可能です。
★左利きの方の使用について
TABサムピックは、残念ながら、左利きの方用のものを特に用意していません。ただ「ベルトを裏返してはめると、左利きで使用できる」という情報を、何人かの左利きのユーザーの方から教えてもらいました。右利きの方と同じフィット感を味わっていただくことは出来ないかも知れませんが、お試しいただければ幸いです。
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以上、色々思い付いたことを書き連ねてみました。何かまた役に立つ情報を思い付いたら、このブログでご紹介したいと思います。(左写真:新上の曽我部大氏(右)と…2004 年大楽器祭にて)
TABサムピックは、ギターのほか、ウクレレのプレイヤーに愛用してくれている方が多くいらっしゃいます。弦への当たり加減がちょうどいいとのことです。その他にも、フラット・マンドリン、バンジョーなど、色んな弦楽器で活用していただけるはずです。私自身も、今ではTABサムピックなしでのギター・ライフは考えられないほど重宝しています。
もちろんサムピックなしのプレイも私は大好きで、曲に応じてサムピックを付けたり外したりしていますが、サムピックに興味のある方は是非一度、この“TABスペシャル”サムピックをお試しになっていただければと思います。全国の楽器屋さんで入手できると思いますが、TABネットショップでもお取り扱いしていますよ。それでは涙と笑いの『TABサムピック物語』、この辺でとりあえず完結したいと思います。(…『TABサムピック物語』完)
TABサムピック物語
<第3回> 〜涙と汗のプロトタイプ〜
(…<第2回>より続き)今回は、注目のプロトタイプご紹介です。 TABサムピックの開発プロジェクトが始まってから完成品が出来上がるまでの間に、新上の曽我部さんは、実験的な数々の試作品を作りました。その中から、主だったものを一挙大公開!
★プロトタイプ1(→)
ピック部にしなりを持たせるための実験として作ったもの。弦に当たる先端部と指を入る部分を分断して、段差を付けて接着剤でくっつけてあります。確かに先端部がややしなることになるのですが、なんか弾いているうちに“ポキッ”と取れちゃいそう。。。それに、先端部がずれていると、通常のサムピックに慣れている人は、弾きにくく感じるに違いないでしょう。
(←)★プロトタイプ2
指のサイズに応じて調整できるように、初めて『ベルト』というアイディアが導入されたモデル。ただ、通常のサムピックで隙間の空いている先端部側が、閉じられて固定されているため、ピッキングした際に、まったくしならないことになります。これでは、弦に対する当たりが強くなり過ぎて、バランスのいいサウンドになりません。また、ピッキングした際の弦の圧力が、ピック全体にもろに伝わるために、指からずれてしまうことになります。ただ、隙間の空いている先端部側を閉じることで、サムピックの内側へ弦が引っ掛かることがなくなるので、このアイディアも発展させる価値ありということに。
★プロトタイプ3(→)
完成型にかなり近づいたモデル。爪側全体にベルトを渡す方式がついに導入されました。ベルトの素材を選べば、私がそれまでサムピックの裏(爪側)にゴムを張ってきたのと同様にずれにくくなるはずです。それでいて、指のサイズに応じて調整も出来ることになり、また、サムピックの内側への弦の引っ掛かりも解消され、このプロジェクトもかなり前進したなあということを実感しました。
(←)★プロトタイプ4
プロトタイプ3に改良を加えたバージョン、その1です。ピッキング時にしなりを出すために、ピック部をカッタウェイにしたモデル。親指に対する圧迫感が幾分かは少なくなったものの、今イチしなるという感覚には至りませんでした。でもここまで来ると、曽我部さんも私も開発が楽しくて仕方がないといった感じです。サムピックにとりつかれた熱いオヤジの物語も、それなりに絵になる展開になってきました。
★プロトタイプ5(→)
プロトタイプ3に改良を加えたバージョン、その2です。スリットを入れるというアイディアを導入した最初のモデル。曽我部さんが手作業で切り込みを入れたんです。さすがアイディアマンの曽我部さん! ずれない、すなわち「固定させる」という概念と、しなりがある、つまり「動く」という概念を同居させた画期的なTABサムピックの完成まで、あと一歩となりました。
(←)★プロトタイプ6
しなりが確実に感じられるまでのスリットをピック部に加え、ベルト部にもゴムを採用し、ついにほぼ完成型に辿り着いたTABサムピック。これは商品化する前の確認用のモデルで、完全透明バージョン。ピック部の素材には、滑らかさと耐久性を兼ね備えた、工業用のギアに用いるナイロン樹脂を採用することで、弦に当たる部分が常に滑らか。先端部の長さも私が指定した通りになりました。あとは、ゴムの材質を、圧迫感がなくフィット感もいい、適度の硬さと弾力のものに決め、ベルトの部分に『TAB』と『新上』のロゴ(これがまた滑り止めにもなるんです!)を入れれば完成です。そして、色のバリエーションを加えて、商品化へとレッツ・ゴー!
涙と汗の日々の中から遂に完成した、現在5色の“TABスペシャル”サムピック(→)。そんなにビッグ・ビジネスになるとは思えないサムピックですが、男達のこだわりの熱い物語があったのです。そしてなんと、TABサムピックは日米特許まで取っちゃったんですよ! 曽我部さんとは「いつの日かNHKでやっている“プロジェクトX”にいずれ出ましょうね!」と語っていたのですが、これは番組が終わってしまいましたね、残念〜。
次回は、TABサムピックを実際に使用する上で、役に立つアイディアをご紹介します。(…<最終回>へ続く)
TABサムピック物語
<第2回> 〜理想のサムピック〜
(…<第1回>より続き)新上の曽我部さんの情熱で、“理想のサムピック”開発にむけてのプロジェクトがついに発進! 2003年半ば頃のことでした。「私が納得してライヴやレコーディングで愛用できるものを作りましょう」と言ってもらった以上、私も半端な気持ちじゃ臨めません。理想のサムピックの条件として、私が曽我部さんに提唱したのは、次の(1)〜(3)でした。
(1) 演奏中にずれにくい。
サムピックがずれそうになると、演奏に集中できなくなります。<第1回>でも触れましたが、私は昔からサムピックの裏にゴムを貼るなどして、滑り防止にかなり気を使ってきました。
(2) 弦に対して適度のしなりがある。
この“しなり”によって、サムピックでピッキングした音色にブライト感が出て、抜けのいい音になります。しなりのないサムピックは、弦に対する当たりが強くなり過ぎて、必要以上に強調された異質の音色になってしまいます。
(3) 弦に当たる部分は、常に滑りがよく滑らか。
弾いているうちに削れてきて、弦に当たる部分がザラザラしてくるようなサムピックは、ピッキング時に余計な引っかかりを感じて弾き心地もよくないし、難易度の高い曲を弾く際にミスをする要因となります。
曽我部さんも、ご自分がサムピックを使ってきた経験から、次の条件を望んでおられました。
(4) 指が痛くならない。
うん、確かにそれも必要ですね。サムピックをはめているときのフィット感が心地よければ、演奏にも気持ちが入りますからね。ただ、私が望んだ(1)を満たすためには、ガチッと強くサムピックをはめる必要があり、そうすると当然指が痛くなって(4)を満たせなくなります。それに、ガチッと指にはめたサムピックでは、(2)の弦に対するしなりを望むのも難しくなります。相反する要望を同時に満たさなければならない…、理想のサムピック開発はやはり大変な作業になってきました。
でも、アイディアマンの曽我部さんは、これらの要求をすべてクリアすべく、いろんなタイプの試作品を製作。きっとかなりお金と手間が掛かったと思います。私もこのプロジェクトが発進した以上は妥協したくなかったので、容赦なく「これじゃあ全然ダメですねえ。もっとこうなりませんか?」「ここのアイディアはいいけど、このくらいのレベルだと他にもっといいものがありますよ」などと何度もダメ出しをしたものです。サムピックに掛ける熱い青春…というには私も曽我部さんもオジサンですが、納得の行くサムピックを開発しようという情熱が、ふたりをがむしゃらに走らせたのでした。
次回はいよいよ、完成に至るまでのプロトタイプを、写真入りでいくつかご紹介しましょう。本邦初公開です! どうぞお楽しみに!(…<第3回>へ続く)
TABサムピック物語
<第1回> 〜私のサムピック列伝〜
2004年の4月に発売になって以来、多くの方々に愛用していただいている“TABスペシャル”サムピック。皆さん、ご愛顧どうもありがとう〜。もちろん、私にとっても欠かせない道具のひとつですよ。でも私がこのサムピックに辿り着くまでには、ホント色んなものを試してきた長い歴史があるんです。数ある私のDVDでも、その時その時のマイブームのサムピックを付けているはずですよ。そこで、私の愛用サムピックの歴史とTABサムピック完成に至るまでの道のりやウラ話を4回にわたって、皆さんに打ち明けちゃいましょう。
私のサムピック列伝は、古くはドブロ社の透明サムピックに始まります。右写真の透明なサムピックがそれです。やや黄色く見えますが、これは20数年以上保管しているうちに黄ばんでしまったんです(笑)。ギターを始めた当時(1970年代後半)は、ステファン・グロスマンをはじめ、デイヴィッド・ブロムバーグ、ジョン・フェイら当時の有名フィンガーピッカーが、このサムピックを使っていて、ある種、定番のサムピックになっていたんですよ。製造中止になるという情報が入ったときは、いろんなお店を回って必死に買い溜めしましたっけ。でも、私と同じように探し回った方も多くいたようで、思ったほど確保できませんでしたが…。
その後、色々試して行くわけですが、次に出会ったのがアーニーボール社のサムピック。左の写真の白いサムピックがそれです。爪で弾く指側の音とサウンド的にバランスが良い!という結論に達して、何年かの間はずっとそれを愛用していました。ところが、あるとき急にメーカーがこのピックの材質を変えてしまったみたいで、どうもしっくりこなくなってきました。そんな時、登場して来たのが、フレッド・ケリー社の“スリックピック”というサムピックです。弦を弾くときの滑らかな感じが気に入って、今度はこれにハマッてしまいました。
2000〜2001年頃、全国の島村楽器さん各店舗を回って開催した私のギター・セミナーで、当時の代理店だったモリダイラ楽器さんがサンプル(オレンジ色のミディアム・タイプ)を配っていたのを覚えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。右の写真がそのスリックピック。
ただ、いずれのサムピックも、買ってそのまま使うのではなく、削って形や厚さを変えたり、滑り止めのためにゴムを内側に張るなど、より使い勝手がよくなる工夫をしたものです。上の写真でも、アーニーボールとフレッド・ケリー“スリックピック”の裏側に貼り付けた、滑り止めのための黒いゴムが少し見えるのが分かりますか?(私のHPの“Q&Aコーナー”のページでも、このアイディアを紹介してます。→こちら)
そんなある日(2003年半ば頃)、(株)新上というプラスチック加工会社をやられているTAB生徒の曽我部さんから、本業とは全く関係ないのに(笑)「理想的なサムピックを作りませんか?」と、熱い相談を持ちかけられたのでした。「それは面白い!」と全面協力することになり、苦あり楽ありの開発プロジェクトがスタートしたのです。(…<第2回>へ続く)
『カントリー・ブルース・ギター』復刊!
発行元のリットーミュージックさんの方でしばらく在庫切れしていた私のCD付き教則本『リアル・アコースティック・ギター/カントリー・ブルー ス』が、この度『カントリー・ブルース・ギター』のタイトルで装いも新たに復刊になりました。応援してくださった多くの方々のおかげです! 本当にありがとうございました。復刊にあたり、“練習に際しての注意点”や“ダイアグラム”を書き加えるなど、より分かりやすい作りになっていますし、以前この語録でもご紹介(→こちら)したTAB生徒のHさんのミシシッピー写真が各章の扉ページに使われていて、本場のムードを出してくれています。Hさんは、なんとmixiの私のコミュで、復刊に向けての署名運動もしてくれていました。心から感謝です。
この本の初版“箱入り”ゴージャス版が発行されたのが1993年ですから、なんと今から17年も前になります。私もまだ三十代半ばの頃で、もちろん痛風でもメタボでもありませんでした。。。TABギタースクールを設立して2年目のときで、この手のギター・スタイルを日本国内にも広めたいという気持ちも強く、リットーミュージックさんからお話しをいただいた時は本当に嬉しかったです。発行後は売れ行きも順調で、途中“箱入り”版から“CD表3貼り付け”バージョンへ体裁が変わるなどの改訂がありましたが、おかげさまで長年にわたって多くの方々に愛用していただいて、予想を大きく上回る発行部数を残すことができたのでした。
またこの本は、私の録音物として初めて世に出た作品でもあります。実はその録音では、どのギターを使おうかギリギリまで迷っていました。結局、レコーディングの3日ほど前に「ブルースを弾くならやはりギブソンしかないだろう!」という結論に達しました。ところが、当時私はギブソンは12弦ギターしか持っていなかったので、ギブソンを都内で一番多く置いているといわれていた楽器屋さんへ急きょ買いに行くことにしました(残念ながら、その楽器屋さんはもうありません)。「絶対にどれか1本買いますから!」と、そのお店に置いてあるギブソンを全部出してもらって弾きたおし、選んだのがB-25(6弦)でした。そのギターを携えて、当時新宿にあったリットーミュージックのスタジオを訪問したときのことが 昨日のように思い起こされます。左上が録音風景の写真です(クリックすると大きくご覧いただけます)。あ、そういえば、出かける直前に、当時まだ4歳だった息子に「お守りとして仮面ライダー1号のフィギュアを貸して」と頼んだところ、「いや~」と言われ寂しい思いをしたことも思い出しました(笑)。
というわけで思い入れの深いこの本ですが、付属CDの音源は17年も前の私の演奏ですので、個人的にはやや気恥ずかしいところもあります。でも、序文の “復刊にあたって”のところで書いたように、この本は『時代の移り変わりに関係なく、むしろ、いつの時代に も新しい発見と楽しみを提供できる内容』であると確信しております。ますます多くの方々にご利用いただければ幸いです。あ、著者プロフィールの写真は、あまりに若すぎて笑っちゃうので撮り直してもらいました(笑)。
※追記…2/27と2/28に開催された『“カントリー・ブルース・ギター”復刊記念、打田十紀夫 ライヴ&トーク』の写真ページをアップしました(→こちらへ)。
ZOOM Q3
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私はライヴでいつも、ZOOMの『A2.1u』と いうプリアンプを愛用しているんですが、そのZOOM社から発売になって今話題になっている商品が、映像が取れる高音質ポケット・サイズ録音機『Q3』。むふふふ、実は私もゲットンしました! いや~これはなかなかの優れもんですよ。録音モードも選べ、編集も簡単にでき、YouTubeにアップするもの楽ちん。理系出身なのに、メカに苦手な私でもすぐに操作を覚えられて、楽しんでいます。最近YouTubeの私のチャンネル(こちら) に上げた「Tribute To Clifford」と「Danny Boy (Londonderry Air)」の映像は、このQ3で撮ったものですよ。
それから、ZOOM社のQ3スペシャル・サイトに も、Q3で撮った私のコメントと演奏(ここでは、Blind Willie Johnson風のボトルネック・スライド・プレイ)がアップされましたので、そちらも是非ご覧ください(↓これです)。
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