十紀夫語録

打田十紀夫オフィシャル・ブログ

Flower

TABサムピック物語
<最終回> 〜使用上のアイディア〜

(… <第3回>より続き)数々の苦難を経て、遂に完成した“TABスペシャル”サムピック。2004 年の4月の正式発売と同時に、ギター業界にセンセーショナルを巻き起こしました(←かなりオーバーかな?スミマセン)。TABギタースクールの商品紹介のページ(こちら)の宣伝文句も参照してもらえば幸いです。さて、『TABサムピック物語』と称したこのコラム・シリーズの最終回として、今回は使用する上でのアイディアや注意点などをご紹介しましょう(右写真は、 TABサムピックをはめている私の親指)。

♪ ♪ ♪ ♪  ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪

★ストロークにも適しています
このTABサムピックに監修で携わった私自身がギター・インストゥルメンタルをレパートリーにしていますので、インスト指向の方に多く愛用してもらっていると思いますが、実は弾き語りをされる方にも最適なんですよ。弾き語りでは、アルペジオ、スリー・フィンガーといったフィンガーピッキングの他に、コード・ストロークも重要な伴奏になります。歌の途中でフィンガーピッキングからストロークに切り替えて弾かなきゃならない場合も多いでしょう。
そんな場合、サムピックに人差指を添えてフラットピックのように用いる方も多いのですが、通常のサムピックでは、よほど手首を柔らかく使わないと弦をガリガリと引っ掻いちゃいます。TABサムピックなら、スリットが入ってしなりがある分、スムーズにストロークを弾けるんです。ピック部は工業用のギアで用いる樹脂で摩擦にも強いので、当たる部分の状態は常に安定しています。ちなみに私は、ストロークを加える場合、サムピックを用いず人差指〜薬指側で行っています。

★スタンブリング・ベースに最適
私にとっては、5/16の投稿でも紹介したブラインド・ブレイクのスタンブリング・ベースを弾くために、TABサムピックが欠かせないものとなっています。ウッディ・マンのようにサムピックを用いないでスタンブリング・ベースをバキバキ弾きこなすギタリストもいますし、私自身もかつてはサムピックなしでスタンブリング・ベースを弾いていた時代もあったのですが、親指への負担を減らすため、ある時期からサムピックを用いるようになりました。いろんなサムピックを使ってきた私ですが、今ではベルト部のゴムのフィット感とピック部のしなりから、TABサムピックがもっともコントロールしやすいと感じています。
十分マニアックな商品なのに、さらにマニアックすぎると思われないように、今日商品化されているTABサムピックのパッケージにはどこにも「スタンブリング・ベースに最適!」などとは書いてません(笑)。ですが、ラグタイム・ブルース・ファンの方には是非TABサムピックをオススメします。

★ベルトの引っ掛け具合について
TABサムピックを装着するとき、あまり強く締め付けてベルトを引っ掛けると、ゴムですので伸びたり、切れたりすることもあります。ゴムの摩擦でずれにくくなっていますので、適度の締め付け具合で引っ掛けて使用するのがいい思います。また、ひと度、自分にあった引っ掛けポイントを見つけたら、その状態のままにしておいて指へ着脱するのが、ゴムを長持ちさせるコツです。毎回、ベルトを引っ掛けたり外したりしていると、切れやすくなります。
ただそれでも、ベルト部は切れたり伸びたりすることはありますので、その場合は、もう1ランク、タイトにベルトを引っ掛けて使用してください。それから、ゴムの余分な部分は、切った方がピッキングの際に邪魔にならないと思いますが、これはそれぞれです。

★親指のピッキングについて
TABサムピックは、ピック部にしなりがあるので、あまり強く弾かなくても親指の音はクリアに出ます。その分、右手の人差指〜薬指のピッキングに力を持って行けるのが、TABサムピックの利点でもあると私は思います。親指側と人差指側のピッキングの力加減をコントロールすることは難しいとは思いますが、その音量のバランスはフィンガーピッキング・プレイにおいて非常に重要なポイントですので、練習時に気を配っていただければ幸いです。
なお、ピック部のスリットは、私的にはオリジナルの状態で使ってもらうのが一番いいと思っていますが、中にはしなりをもう少し強くしたい方もいらっしゃるかも知れません。そんな場合は、スリットの溝がカッターなどで2段階カットできるようになっていますので、お試しいただくことも可能です。

★左利きの方の使用について
TABサムピックは、残念ながら、左利きの方用のものを特に用意していません。ただ「ベルトを裏返してはめると、左利きで使用できる」という情報を、何人かの左利きのユーザーの方から教えてもらいました。右利きの方と同じフィット感を味わっていただくことは出来ないかも知れませんが、お試しいただければ幸いです。

♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪

以上、色々思い付いたことを書き連ねてみました。何かまた役に立つ情報を思い付いたら、このブログでご紹介したいと思います。(左写真:新上の曽我部大氏(右)と…2004 年大楽器祭にて)

TABサムピックは、ギターのほか、ウクレレのプレイヤーに愛用してくれている方が多くいらっしゃいます。弦への当たり加減がちょうどいいとのことです。その他にも、フラット・マンドリン、バンジョーなど、色んな弦楽器で活用していただけるはずです。私自身も、今ではTABサムピックなしでのギター・ライフは考えられないほど重宝しています。

もちろんサムピックなしのプレイも私は大好きで、曲に応じてサムピックを付けたり外したりしていますが、サムピックに興味のある方は是非一度、この“TABスペシャル”サムピックをお試しになっていただければと思います。全国の楽器屋さんで入手できると思いますが、TABネットショップでもお取り扱いしていますよ。それでは涙と笑いの『TABサムピック物語』、この辺でとりあえず完結したいと思います。(…『TABサムピック物語』完)

12 Responses to “TABサムピック物語
<最終回> 〜使用上のアイディア〜”

  1. 6月 10th, 2010 at 3:00 PM

    ささき says:

    はじめまして。大阪に住んでいるおっさんで、TABサムピックを愛用しております。
    私は手足に障害があり、特に右手は握力は0、指もほとんど動きません。
    ので、サムピックをつけて、手を振り回してギターをたたくくらいのことしかできないのですが、それもやはり、普通のサムピックでは、ずれてしまってすぐにどこかへ飛んでいってしまいます。

    なんせ指が動かないのでずれた時に他の指で押さえたり、戻したりということもできないので、事務用品のゴムのすべりどめを指にはめ、その上からNATIONALのサムピックをはめるというような工夫を自分なりしてきたのですが、ある日家内がTABサムピックを見つけてくれてからは悩みが大幅に軽減されました。

    「ギターを弾く」と他人に言うのも憚られる腕前なのですが、田舎の片隅で細々ギター弾く身障者も恩恵こうむってます!と、一言お礼が言いたくなりコメント書かせていただいた次第です。
    画期的なサムピック、本当にありがとうございます。

  2. 6月 14th, 2010 at 1:30 AM

    打田十紀夫 says:

    ささきさん、コメントありがとうございました!
    障害をお持ちなのに、ギター・プレイの習得に
    努力されている姿勢に、とても感銘を受けました。
    そして、TABサムピックがお役に立てて、本当に嬉しいです!
    今後もどうかTABサムピックを使って、ギター・プレイを
    ずっと楽しんでいただければと思います。
    今後ともどうぞよろしくお願いします!

  3. 5月 8th, 2011 at 12:31 PM

    木元 says:

    はじめまして。
    北海道に住む木元と申します。
    40数年間、アコースティックギターに慣れ親しんできましたが、
    4年ほど前からギターをウクレレに持ち替えて演奏とウクレレ普及活動に取り組んでいます。(本業はサラリーマンですが…)

    ウクレレ用サムピックというのは世の中に存在しませんので、最初のころはギター用のサムピックを何種類も大量に購入し、サンドペーパーを使って自分で厚さや長さを好みのサイズに削っていろいろ「試作」して使用していました。

    しかし、どのサムピックも一長一短で「完璧」というものができず、仕方なく「ベターなもの」を使っていました。

    一昨年、先生の開発した「TABスペシャル」を使わせていただき、すべての問題が一気に解決しました。

    上記の先生の記事の中に「ウクレレに使っている方もいる」とのことでしたが、このサムピックの性能を考えれば私も全く同感です。

    現在、ウクレレの弾き方を手ほどきすることもしていますが、ほかの方たちにもこのサムピックの良さは是非伝えていきたいと思っています。

  4. 5月 8th, 2011 at 12:47 PM

    打田十紀夫 says:

    木元さん、コメントありがとうございました!
    ギター40数年、そしてウクレレに転向とは、
    かなりのベテランでいらっしゃいますね。
    TABサムピックを気に入っていただき、うれしいです。

    私はウクレレは弾かないため、このサムピックがウクレレで
    使われることなど考えたこともありませんでした。
    でも、何人かの方から「ウクレレにいいですよ」とのご連絡を
    いただいて、そういった活用法もあることを知った次第です。

    今後も、ウクレレ普及活動、頑張ってください!
    そしてTABサムピック宣伝も、どうぞよろしくお願いします(笑)。

  5. 11月 12th, 2013 at 2:08 PM

    コハク(The Smoking Panda!) says:

    ふと、自分が愛用しているピックをどんな方が開発したのか知りたくなり、このホームページを拝見しました。

    長年、愛用させて頂いております。
    おそらく、発売当初から。

    このピックを見つけるまで、かなり試行錯誤を繰り返しました。
    おそらく他の方と同様、削ったりしたりして・・・(^_^;)

    このピックは演奏者の気持ちを弦に伝えてくれる素晴らしいピックだと思います。

    コメント欄がございましたので一言お礼を言わせて頂きたいです。

    ありがとうございます!!

  6. 11月 13th, 2013 at 1:38 AM

    打田十紀夫 says:

    コハクさん、長年にわたってTABサムピックを
    ご愛用くださり、本当にありがとうございます!

    「演奏者の気持ちを弦に伝えてくれる素晴らしいピック」
    …な、なんと嬉しいお言葉! 最高のほめ言葉です!

    今後も末永くご愛用くださいますよう、
    どうかよろしくお願いいたします!

  7. 7月 14th, 2014 at 11:00 PM

    Ikaorih.T says:

    開発されてからもう10年が経つのですね。
    去年、TABサムピックに出会って目からウロコ、いつの間にかピックケースの中は各色そろって、その日の気分の色を使っています。
    いわゆる「泣きのギター」の音は通常のサムピックでは絶対に出せませんでした。TABサムピックでは泣きっぱなし、泣かせっぱなしです。笑

  8. 7月 15th, 2014 at 12:48 AM

    打田十紀夫 says:

    Ikaorih.Tさん、書き込みありがとうございます。
    そうですね、もう10年経つんですね〜。ひえ〜時が経つのは早い〜。

    それにしても各色揃えてくださっているとは、なんともありがたい!
    今後ともどうぞよろしくお願いします!

  9. 10月 8th, 2014 at 10:20 AM

    さの says:

    打田様,画期的なサムピックを開発していただき誠にありがとうございます!
    愛用すること7年ほど,もう「TABスペシャル無しではギターを弾きたくない」という状態です.

    TABスペシャルの入手前も愛用開始後もいろいろな製品を購入して試しておりますが,結局は他のピック・サムピックを実戦では全く使用しておりません~(笑).

    当方はエレガットをメインに弾いておりまして,「和音やアルペジオは主にフィンガー・ピッキング」←→「シングルトーンは通常のピッキング」これを何のストレスも無く行き来できる最善のモノだと思っております.

    しかし,一つ要望があります!
    もう少し硬め(または厚め)のTABスペシャルが欲しいです! 個人的にはもう少し「太い音色」も欲しいと思いまして・・・(汗)

    何卒ご検討のほど,お願い申し上げます.

  10. 10月 8th, 2014 at 8:02 PM

    打田十紀夫 says:

    さのさん

    嬉しいコメント、ありがとうございます。
    「少し硬めのものを」とのご意見もありがとうございます。
    発売以来、今の硬さでずっとやってきていますが、
    製造元の(株)新上の曽我部さんが硬さのバリエーションに向けて
    色々と試行錯誤されています。
    発売になる日がきましたら、その節はどうぞよろしくお願いします!

  11. 9月 21st, 2016 at 10:19 PM

    Ikaorih.T says:

    TABサムピックの進化版、TAB SpecialⅡが商品化されていることを、さっき知りました。
    ティアドロップの形があったらいいのにと前から思っていたのですが、nine9という商品もできていたのですね(ネーミングの由来は笑えました)。

    「TAB SpecialⅡ」と「nine9のティアドロップ」、どちらもどりあえずミディアムのものをポチりました。届くのが楽しみです!

    こちらも開発秘話も知りたいです!

  12. 9月 22nd, 2016 at 11:15 AM

    打田十紀夫 says:

    Ikaorihさん、ありがとうございます。
    「TAB SpecialⅡ」では、ベルトが切れにくくなり、また硬さのバリエーションも加わりました。
    「nine9」シリーズは、「フラットピック」に馴染んでいる方用にと、(株)新上の曽我部さんが開発しました。
    私自身は、TAB Specialの形状に慣れているので、nine9の方は使っていませんが、気に入って下っている方もいらっしゃいます。Ikaorihさんもうまく活用していただければ嬉しいです。

Leave a Reply