十紀夫語録

打田十紀夫オフィシャル・ブログ

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Archive for 6月 19th, 2014

デイヴ・ヴァン・ロンク

Llewyna_Daviseもの凄く久しぶりに映画館で映画を見ました。いま話題になっている「インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もない男の歌」です。なぜ映画館に行ってまで見る気になったのか、それは「デイヴ・ヴァン・ロンク」が関係していたからです。

この作品は、デイヴ・ヴァン・ロンクの回想録からインスパイアされてできた映画で、主人公のフォーク・シンガー、ルーウィン・デイヴィスは、デイヴ・ヴァン・ロンクがモデルになっているのです。もちろん脚色が入っているので、デイヴの伝記そのものではありませんが、フォーク・リバイバルの時期でもあった1961年のニューヨークを舞台に、自分の信じた音楽を歌い続けてもなかなか売れず、すべてがうまくいかないルーウィンを切なくも面白可笑しく描いた、なかなか面白い映画でした。

ボブ・ディランに大きな影響を与えたことで知られるデイヴですが、私の師匠ステファン・グロスマンの先輩格で、レヴァランド・ゲイリー・デイヴィスやミシシッピー・ジョンハートら再発見されたブルースマンとも交流がありました。また、“フォーク・シンガー”としてその時代の音楽シーンに貢献しただけでなく、“フィンガーピッキング”の分野でも非常に重要な先駆者的ギタリストでもあったのです。彼の発表した「St. Louis Tickle」の画期的なクラシック・ラグ・アレンジは、当時のギター・ファンの度肝を抜きました。私も毎日ギターばかり弾いていた20代の頃、彼の曲をよくコピーしました。

DaveVanRonk-workshop実はもう25年も前(1989年)、当時よく通った両国フォークロアセンターの国崎氏がデイヴ・ヴァン・ロンクを招聘し、そのときギター・セミナーも開催しましょうという急な話になって、当時の生徒さんや愛好家の方々に声をかけて参加者集めや楽譜の用意などで協力したのでした。探したら写真が出てきました。浜田隆史クンも参加してくれた一人でした。その時の練習曲は「Sunday Street」と「Stackerlee」だったと記憶しています。Dave-Tokioデイヴ・ヴァン・ロンクがファリー・ルイスに影響を受けたことを知っていた私は、「ファリー・ルイスTシャツ」を着てデイヴに会いました。「どこで手に入れたんだい?」と聞かれたので「ステファン・グロスマンにもらったんです」と答えたら、にこっと笑ってくれた表情を今でもはっきり覚えています。

デイヴ・ヴァン・ロンクは2002年に癌で65才の若さで亡くなりましたが、この映画をきっかけにまた彼の音楽が注目されたら嬉しいなあTABネットショップでも彼のDVDなど扱ってますよ(笑)。

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